事前設定ファイルのフォーマットは、debconf-set-selections コマンドで使用されるものと同じです。事前設定ファイルの行の一般的なフォーマットは以下のようになります。
<所有者> <質問名> <質問タイプ> <値>
このファイルの内容は #_preseed_V1
から始まります
事前設定ファイルを記述する際には、ちょっとした規則があると気に留めておいてください。
型と値の間には、空白かタブを 1 つだけおいてください。空白を追加すると、値の一部として解釈されます。空値を指定する場合は、型の後に空白かタブを、ひとつ記述したままにしてください。
行継続文字としてバックスラッシュ (「\
」) を付けて複数行に分割できます。質問名の後で分割するのが適当でしょう。型と値の間はよくありません。値の途中で行を分割するのは、パーティション分割のレシピを除いて、サポートしていません。
インストーラ自身でのみ使用する debconf 変数 (テンプレート) では、所有者を 「d-i」 と設定しておきます。インストールしたシステムで使用する preseed 変数では、対応する debconf テンプレートを含むパッケージ名を使用するべきです。所有者が 「d-i」 ではない変数だけを、インストールしたシステムの debconf データベースに伝播させます。
ほとんどの質問では、訳した値ではなく英語の値を指定する必要がありますが、 (partman
など) 訳した値を使用できる質問もあります。
質問の中には、インストール中に表示される英語のテキストの代わりに、コードを取るものがあります。
#_preseed_V1
から始まります
コメントは先頭がハッシュ記号 (「#
」) の行で、その行の最後まで続きます。
事前設定ファイルを作成する簡単な方法は、「事前設定ファイルの内容 (bullseye 用)」 にあるサンプルファイルを元にして作業することです。
その他には、手動インストールを行い、再起動してから debconf-utils
パッケージの debconf-get-selections を使用します。以下のように debconf データベースとインストーラの cdebconf データベースを 1 ファイルに出力してください。
$ echo "#_preseed_V1" >file
$ debconf-get-selections --installer >>file
$ debconf-get-selections >>file
しかし、この方法で生成したファイルでは preseed されない項目があります。ほとんどのユーザはサンプルファイルから始めるのがよいでしょう。
注記 | |
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この方法は、インストーラの cdebconf データベースが、インストールしたシステムの
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有効な質問の値をチェックするのに、インストール中に /var/lib/cdebconf
のファイルを、nano を使用して確認できます。生のテンプレートは templates.dat
を、現在の値や変数に割り当てられた値は questions.dat
を確認してください。
インストールを実行する前に、事前設定ファイルのフォーマットが適切かどうかを調べるには、debconf-set-selections -c preseed.cfg
が使えます。