Debian GNU/Linux 5.0 更新
2010 年 9 月 4 日
Debian プロジェクトは安定版 (stable) ディストリビューション Debian GNU/Linux 5.0 (コード名 "lenny") の六回目の更新を発表出来ることを嬉しく思います。 この更新は主にセキュリティ問題の修正を安定版 (stable) リリースに加えるもので、重大な問題に対する若干の調整への対応を追加しています。
この更新は Debian GNU/Linux 5.0 の新しいバージョンを構成するといった性質のものではなく、 収録されているパッケージの一部を更新するだけであることに注意してください。 5.0 の CD や DVD を投げ捨てる必要はなく、インストール後に最新の Debian ミラーから更新を取得して古くなったパッケージを更新するだけです。
頻繁に security.debian.org から更新をインストールしている人は大量のパッケージ更新をする必要はありません。 security.debian.org での更新のほとんどが今回のアップデートに含まれています。
新規の CD/DVD イメージは更新されたパッケージを含んでおり、 パッケージアーカイブが含まれた通常の各種インストールメディアは、 いつもの場所で間もなく入手可能になります。
オンラインからの今回のリビジョンへのアップグレードは、通常 aptitude (または apt) パッケージツールで Debian の FTP/HTTP ミラーの多くのうちの一つを指定することで実施されます (sources.list(5) マニュアルページを参照してください)。 ミラーの完全なリストは以下から入手出来ます:
様々なバグ修正
この安定版の更新では、 バージョンがアーキテクチャによって統一されていなかったパッケージについて、 様々なアーキテクチャに対して複数のバイナリ更新が加えられています。 また、以下のパッケージに重要な修正が加えられています:
パッケージ | 理由 |
---|---|
base-files | /etc/debian_version を更新 |
bgoffice | アップグレードで /var/lib/aspell からファイルを削除しないように |
debian-archive-keyring | squeeze の鍵を追加; etch の鍵を退役 |
git-core | gitdir パスの処理でのスタックベースのバッファオーバフローを修正 |
ia32-libs | ia64 での ld-linux.so.2 の symlink 修正と ld.so.conf の記述追加 |
imp4 | 信頼できない内容を無効にしている場合に DNS の事前取得をしないように; URL 表示時のエスケープの問題を修正 |
iputils | 特別に細工された応答によるリソース消費を修正 |
libapache-dbi-perl | セキュリティパッチをビルド中に適切に適用するように |
libnet-sftp-foreign-perl | lib{expect,io-pty}-perl に欠けていた Recommends を追加 |
libnss-lwres | liblwres50 に対して再ビルド(bind9 DSA により導入) |
libpoe-component-irc-perl | 改行が含まれるコマンドを除去し、インジェクション攻撃を回避 |
libtk-filedialog-perl | '.filedialog' を自身のマスターにする際のエラーを修正 |
libwww-perl | redo の誤った使用を修正; lwp-download について - サーバから送られたファイル名が '.' で始まる場合にそれを使わないように |
linux-2.6 | 複数の修正とサポートするハードウェアの増加 |
makepasswd | 推測可能なパスワードを生成しないように |
okular | メモリ破壊 |
pango1.0 | 不正な Unicode シーケンスによるクラッシュを修正 |
paste | XSS を修正 |
pastebinit | pastebin.com の定義更新; rafb.net を削除 |
pdf2djvu | -i / --indirect オプション使用時のクラッシュを修正 |
quik | FTBFS と debconf が使用中の場合に意図せず入力待ちになるのを修正 |
slim | ディレクトリをデフォルトパスに追加しないように |
ttf-dzongkha | 正しいフォントファイルを指すように hints ファイルを修正 |
ttf-inconsolata | defoma hints ファイルにおいて、フォントを等幅フォントとし、ファイル名を修正 |
w3m | 証明書の名前について NUL 文字をチェック |
xserver-xorg-video-intel | GEN3 での低消費電力の描画、書き込み有効化 |
さらに、この更新には前回のポイントリリースに間に合わなかった ia64 アーキテクチャ用の sun-java5 および sun-java6 パッケージが含まれます
セキュリティ更新
この改訂では安定版 (stable) リリースに以下のセキュリティ更新が追加されます。 セキュリティチームはこれらの更新それぞれについての勧告をすでに発表しています:
削除されたパッケージ
以下のパッケージが諸事情により削除されました:
パッケージ | 理由 |
---|---|
libconfig-inetd-perl | 壊れた空のパッケージで依存関係なし |
URL
このリリースで変更されたパッケージの完全なリスト:
現在の安定版 (stable) ディストリビューション:
安定版 (stable) ディストリビューションへの更新提案中のパッケージ (Proposed updates):
安定版 (stable) ディストリビューション情報 (リリースノート、正誤表など):
セキュリティ関連のアナウンスと情報について:
Debian について
Debian プロジェクトは、完全にフリーなオペレーティングシステム Debian GNU/Linux をボランティアで時間と労力を割いて開発しているフリーソフトウェア開発者の団体です。
連絡先について
より詳細な情報については、Debian のウェブページ https://www.debian.org/ を訪れるか、<press@debian.org> 宛にメールする、もしくは <debian-release@lists.debian.org> から安定版リリースチームに問い合わせを行ってください。